もしも、ルート66
をひとりで旅するボクの紀行文が一冊の本になったとしたら、きっとタイトルは『安モーテルとターキーサンドとルート66』。
ガスステーションに寄るたびに1ドル25セントの冷たいサンドウィッチを頬張り、またクルマを走らせる。
気がつくとまともに食事をしていない事が多い。
そして日が暮れればねぐらを探す。ボクが好きなのは、古くて鄙びたカンジの安モーテルで、上手くすると一泊20ドル以下で泊れる。そして何よりも嬉しいのは、そうゆうモーテルはそのままボクの被写体になり易い。
アルミサッシではない木の桟の窓ガラスに古ぼけたランプシェイドでも写っていればそれだけで絵になるし、
その向こう側に年代もののピックアップでも駐っていれば、この上ないモチーフなのである。
他にも古いテレビや煙草の自動販売機、切れかかったネオンサイン・・・
インターステート沿いのチェーン店では決して出くわすことのないものにありつけるのが安モーテルのいいところなのである。
ただし、ドアにちゃんと鍵が掛からなかったり、シャワーのお湯が出なかったり、タオルがどう見ても雑巾のようだったり、翌朝起きると何となく身体が痒かったりするのはよくあること。それでも、ボクはやっぱり安モーテルを泊まり継ぐ旅が大好きなのである。